
ネットゼロエネルギー住宅とは、一次エネルギーの消費量がゼロになる住宅……特に、住宅のなかで電力と熱を生産し、それと同じ量だけのエネルギーを消費する「トータル的にゼロエネルギーとなる住まい」のことを指します。
2012年はこうした「ゼロエネルギー住宅」の推進事業が多く、国はゼロエネルギー住宅推進事業に23億円超の予算を投入。総額15億円もの予算を補助金に充てられることになりました。
2013年にはさらに予算が拡大。今後もまたゼロエネルギー住宅およびネットゼロエネルギー住宅推進の動きは加速していくものと考えられています。
「平成11年基準」の仙台の熱損失係数は2.4W/m²K。これをQ=1.2まで高性能化すると、冷暖房に必要なエネルギー量はおよそ1/3まで低減します。
イノーバの「モデルプラン」で考えると、年間冷暖房付加の合計が9,929KWhから3,411KWhに。
この建物に太陽光発電(発電量/5.0KWh想定)を付与すると、自給率は146%となり、冷暖房エネルギーはすべてまかなえる計算になります。
実際には給湯と照明によるエネルギー消費が加算されるため、まだ完全自給=ネットゼロエネルギー住宅とはいきませんが、イノーバの住まいは「限りなくネットゼロエネルギーに近い住まい」ということができるのです。
※自社概算。灯油料金を100円/リットルとして計算。
電力量員は東北電力Webサイト(2014年00月00月現在掲載情報)を元に算出しています。
では、今後考えられる性能基準……21世紀に掲げられるべき最も安定かつ理想的な基準とはどのようなものでしょうか。
十分な住宅性能と断熱性能を実現し、さらに費用的にもバランスがとれた住まい。
建築コストはまだまだ高額ですが、私たちイノーバはドイツの「パッシブハウス」のような性能を持つ住まいこそが、今後のモデルになり得ると考えています。
パッシブハウスとは、ドイツのパッシブハウス研究所が提唱する認定基準を満たした高環境・高性能住宅のこと。建物の性能を向上させることにより、高効率熱交換器を運用するだけで快適な住環境が実現できる(=冷暖房を積極的に使用しなくてすむ)ことから「パッシブ(=passive:受け身の)住まい」と呼ばれています。
1m²あたりのエネルギー量(KWh/m²)の年間量が以下の条件を満たす性能を担保できること。
※漏気回数0.6回以下=隙間相当面積(C値)=0.2cm²/m²以下となる。
「パッシブハウス」が保証する性能では、人体が発する熱量だけで室内温度を挙げることができる、いわゆる「無暖房住宅」にすることが可能です。一次エネルギーの消費抑制という方向性の先に見えるひとつの「回答」といえるかもしれません。私たちイノーバも、こうした超高性能住宅を実現できるよう知識と技術の研さんを続けてまいります。