イノーバのコンセプトモデル/考え方③ モデルプランをQPEXで数値化してみる

モデルプランをQPEXで数値化してみる

下のプランはイノーバの標準とも言うべきモデルです。
断熱に関してはもちろん、建物の耐震性の肝となる屋根・外壁の軽量化、メンテナンスの容易さや可変住空間性なども考慮された汎用性の高いモデルとなっています。
性能に関するスペックは以下の通りです。

  • 在来木造2階建て 延べ140.76m²(42.50坪) 施工面積46.23坪
  • 開口部:樹脂サッシArLow-E複層ガラス
  • 天井断熱材:GW吹き込み300㎜
  • 壁断熱材:HGW16kg120㎜+付加GW32kg60㎜
  • 基礎断熱材:押出ポリスチレンフォーム3種75㎜
  • 太陽光発電パネル 年間発電量5000KWh
  • 石油温水床下暖房システム
  • 熱交換換気システム(熱交換率70%以上)
  • エコキュート、IH調理器
  • 全室LED照明器具

上記のモデルケースはUA=0.46W/m²K(Q=1.21W/m²K)を仙台に建築した場合を想定しています。この住宅の年間暖房負荷は2368kWhですが、同じ間取りの住宅を盛岡に建築した場合、同じ熱量で同じ室内環境を得ようとした場合、必要な性能値はUA=0.33W/m²K(Q=0.99W/m²K)と非常にハイレベルなものが要求されます。

Q=0.99をクリアするための断熱仕様はおおよそ以下の通りです

開口部
樹脂サッシArLow-Eトリプルガラス
天井断熱
GW吹き込み400㎜
壁断熱
HGW16kg120㎜+付加HGW16kg100㎜
基礎断熱
XPS-3b75㎜(外)+50㎜(内)
換気機
第1種熱交換換気システム(熱交換率70%以上)

この手法で盛岡に建てられた42坪の住宅は、年間270リットル強の灯油で日中の室温(全館)を20℃に保つことができます。それに対し、同じ快適さを仙台で求めようと思えばQ=1.2で十分ということになるのです。

Q=1.2をクリアするための断熱仕様は以下の通りです

開口部
樹脂サッシArLow-E複層ガラス
天井断熱
GW吹き込み300㎜
壁断熱
HGW16kg120㎜+付加GW32kg60㎜
基礎断熱
XPS-3b75㎜
換気機
同じ

現時点において、技術的に現実味のある数字がQ=1.0前後であると私たちは考えています。
もちろん、それ以下を実現するための知識と技能を私たちは所持しているので、お客様が希望すれば超高性能住宅を実現して差し上げることが可能です。
しかしトリプルガラスサッシはまだまだ高価であり、コストのかさむ多くの要素を抱えているのも事実です。仙台(及び近郊)に建築するという前提なら、3地域(旧Ⅱ地域)に建つQ=1.0住宅と同じ快適さを得ることができるQ=1.2住宅が4地域(旧Ⅲ地域)における2020年住宅のスタンダードであると私たちは考えます。